韓国では普段から料理や飲料に高麗人参をよく用います。
それは古くからある「薬食同源」という、からだによい食材を毎日の食に取り入れ、健康づくりを実践しようということによるものです。
また、「身土不二」と言って、生まれ育った土地で収穫・栽培・加工したものを食べることで、人の精神や健康が形成されるという思想も徹底されています。
さらに「五味五色」という東洋の五行思想(五行説)に基づくものもあります。「木・火・土・金・水」の5つの「行」を基本とし、季節は順に「春・夏・土用(季節の変わり目)・秋・冬」(五時)、人の内臓は順に「肝・心・脾・肺・腎」(五臓)、人の感覚は順に「目・耳・鼻・口・皮膚」(五感)、方角は順に「東・南・中央・西・北」(五方)といったように、季節や自然、身体、そして方角等あらゆるものを「五行」にあてはめて考えます。
「五味五色」の場合、五行の「木・火・土・金・水」の順に、「辛・甘・酸・鹹(しょっぱい)・苦」(五味)、「青・赤・黄・白・黒」(五色)になるのです。
韓国では、5つの色の食材を、5種類の味に味つけした料理を食卓に並べることで、栄養バランスのとれた健康的な食生活が送れると考え、実践してきたのです。
日本でもすっかりおなじみの白菜キムチの材料やビビンバの具などを思い出すとよくご理解いただけると思います。
高麗人参を使った料理としては「参鶏湯(サムゲタン)」が有名ですが、炒め物に入れたり、天ぷらにしたりもします。
あるいは人参茶として服用したり、お酒に漬けて少しずつ飲んだりもします。
また、人参のサポニン成分が肌にいいので、人参石鹸やシャンプーも販売されているほどです。
そして、生人参や乾燥人参、人参健康食品は、日本のお中元やお歳暮、敬老の日の贈答品と同じように、両親や祖父母への贈り物として利用されているのです。