【概要】
韓国の中心部に近い忠清南道・錦山郡。錦山(クムサン)は山が多い地域で、朝晩の気温の差が大きく、韓国で3番目に長い川、
錦江(クムガン)が流れています。気候も土壌も高麗人参の栽培に適していて、1500年も前から高麗人参が栽培されていたため、韓国では「高麗人参の里」として知られています。特に「人参の街」と呼ばれる錦山邑(クムサンウプ)中島里(チュンドリ)では2と7がつく日に人参の市が開かれ、質の良い人参を買うために全国から大勢の人が訪れます。
錦山は人参栽培地が全体面積の71.5%を占め、韓国で生産されている人参の80%がここで取引されるほどの大きな規模を誇っています。
また毎年9月には「人参祝祭」も開かれます。
【交通】
高速バス
ソウル:江南ターミナル→錦山(2時間30分 - 1時間30分間隔で運行)
釜山: 釜山→大田(3時間30分 - 50分間隔で運行)
市外バス
大田東部市外バスターミナル→錦山(50分 - 20分間隔で運行)
鉄道
ソウル:ソウル→大田(KTX1時間、セマウル号1時間35分、無窮花号1時間45分)
釜山:釜山→大田(KTX2時間、セマウル号2時間45分、無窮花号3時間15分)
高麗人参は生育環境と地理的条件、そして採取期間に強く影響を受けますが、錦山は一日の最高気温と最低気温の差が大きいなど、あらゆる気候環境が高麗人参の栽培に適した好条件備えています。
錦山の高麗人参は、まずは栽培方法が他の地域と比べ独特で、北朝鮮の開城式栽培方法とは異なった様式を持っています。地中にぎっしり埋めながらも日差しを十分に受けられるようにし、薬理作用上最高水準になる7月上旬に採取し始め、10月末まで加工するので「夏人参」とも呼ばれています。そのため、人参の主要成分であるサポニン含量は5.2%と他の地域の人参よりはるかに多く、薬効成分も優れています。
次に、錦山で生産された高麗人参は一般的に長く、堅く、色が白くなります。これを曲参という特有の形に加工しますが、曲参は錦山の伝統的な加工方法で、錦山高麗人参のもう一つの特徴になっています。
錦山(クムサン)には誰もが知っている伝説があります。
姜処士というソンビが今から遥か昔の1500年以上前に進楽山のふもとの開眼村今の南二面聖谷里開参場の近くで、一生懸命に農業を行い、誠実に暮していました。(ソンビとは学識が優れて行動と礼節が塗って義理と原則を守って権力と富裕栄華を貪らない高潔な人柄を持った人に対する呼称)
そんなある日、一緒に住んでいた年老いた母親が病気で寝込んでしまったのですが、姜処士の真心込めた看病にもかかわらず母親の病気はよくなりませんでした。
姜処士は何日も夜を明かした思案のはて、天の助けを受けようと思い、進楽山の頂上のすぐ下にある観音窟で百日祈祷を捧げました。
「母親の病気をどうぞよくしてください」
この上ない真心で祈り続けました。
百日目の早朝にも姜処士は祈祷したのですが、その時、彼の目の前に清楚な服装の一人の老人が現れました。この老人は姜処士のこの上ない孝行心を褒め、洞窟の崖を示しました。そこには真っ赤な実の付いた植物が見えたのです。
「あの草の根を大事に掘り煎じて飲ませれば、お前の母親の病気はよくなるであろう」
老人は忽然と消え、姜処士は崖をもう一度見つめました。夢の中で老人が教えてくれた所には真っ赤な実が輝いていたのです。 姜処士は丁寧に実の付いた草の根を掘り、実も大切に持ち帰りました。
姜処士は村に戻り、未だ病気でうめいている母親にその根を煎じて飲ませたところ、それを飲んだ母親は洗い流したように病気がよくなったのです。
姜処士はそのいとも霊妙な草の根に感服しながら、3粒の実を大切に保管し、芽が出るようにして栽培に成功しました。
その霊妙な根は重病に苦しむ人に不思議なほどの効果があり、姜処士と村人達はさらに真心を込めて種を蒔いたので、より多くの人々が人参により、様々な病気を予防し、病魔から逃れられるようになったのです。
後世の人々は、姜処士が祈祷した山の名前を進楽山と呼び、彼が祈祷した窟の名前を観音窟と呼び伝えました。
さらに、人参の栽培を開始した村を「開眼」と呼び、今はその場所に開参閣を建て、その中に伝説の一場面を画いた錦山人参伝受図をかかげています。
高麗人参祭りは1981年より毎年秋夕(チュソク:旧暦のお盆)の前に開催され、錦山の伝統文化と高麗人参、そして健康を統合したイベントで、過去に8度、全国最優秀祭として選出されました。
会場では人参を使ったさまざまな体験イベントが開かれ、「健康体験館」では紅参足風呂、フットケア、紅参パックマッサージや薬草を使った足のホットパックなどの体験ができます。「共に楽しむ錦山生命酒」では人参祭りの人気イベントである人参酒作りに参加することもできます。
「人参掘り体験旅行」は錦山人参祭りのメインイベントといえ、実際に人参畑に行って自分の手で高麗人参を掘ってみる体験ツアーです。このツアーに参加するために毎年錦山人参祭りに来ているという外国人観光客もいるほど人気を集めています。
また、2006年と2011年には世界的な高麗人参学者200余名が参加した国際シンポジウムと100余名の海外バイヤーを招待した産業博覧会を結合させたエキスポも開催しました。
高麗人参生産量の80%が取り引きされる専門の市場が錦山には多くあります。
4万3千坪の規模を誇る市場には全国から1日2万人以上が訪れ、国際人参市場、水参センター などと共に約1200余の人参商店が密接しています。生人参だけを取り扱う水参センターには店舗が約90あり、5日ごとに市が開かれます。また、市場の周りは高麗人参をはじめとする韓方薬草店が約190店集まる韓方薬専門の薬局街になっています。
市場は2011年より「おいしい錦山高麗人参市場」というスローガンを掲げ、市場の中に高麗人参足湯や複合文化空間としてのカフェ「ヒュ」を作りました。また「ス」と名づけられた公演場も設置し、錦山市場の歴史や文化を絵と話で刻んだ壁も造成しました。
水参センター:1日の取引量150トン
錦山高麗人参国際市場:全国の白参の80%が流通
薬草市場:300種類の薬草を取引き
錦山高麗人参総合ショッピングセンター:高麗人参ホテルやサウナを併設
農協水参ランド
錦山国際高麗人参総合流通センター